Twist - 国立大学法人鹿児岛大学工学部机械工学科.PDF

１５．軸のねじり（Twist） １５－１．丸棒のねじり （１）ねじりの変形とせん断ひずみ 右図のように、剛体壁に取り付けら れた長さ l、半径R の丸棒について、 軸の中心のまわりにねじりモーメン ト T が作用すると、丸棒の外面にお いて B 点が C 点に変位する。 このとき∠BAC を とすると、 BC AB tan l tan である。一方せん断ひずみの定義よ り、外周でのせん断ひずみをR とす ると、 BC R tan AB 弾性変形ではBC AB なので、 R tan B としてよい。 B’ C R 　次に丸棒の断面について考えると、 R r C’ BC R であるから、外周でのせん断ひずみは BC R R AB l である。 　以上より、 R R l を得る。 をねじれ角（ねじり角）という。棒の単位長さあたりのねじれ角 l を比ねじれ角（比ねじり角）と言い、これを用いると、 R R である。 　丸棒の断面において、中心から r の位置では、せん断変位は B C r であるから、せん断ひずみは B C r r l l と書ける。これから、せん断ひずみは半径に比例して大きくなることがわかる。 （２）せん断応力とトルク 　 　フックの法則より、せん断応力は、G を剛 性率（横弾性係数）とすると G なので、 r G G Gr l を得る。 　次に断面に働くモーメントを考える。ねじり の場合、モーメントはトルクと呼ばれ、T であ らわすことにする。 断面において、径 r から r + dr、及び角度から + dの間にある微小要素の面積を dA と すると、周方向にdA の力が作用する。この力による微小トルクは dT dA r rdA である。 Gr であったから、上の微小トルクは 2 dT G r dA であり、全断面積について足し合わせて、トルクは 2 T dT G r dA A A となる。このとき、断面二次極モーメントを 2 I r dA P A で定義すると、トルクと比ねじれ角の関係は T T GI P 　　あるいは、　 GI P で与えられる。一方、