RIDAI SCITEC - 东京理科大学.PDF

学校法人東京理科大学 科学技術交流センター（承認TLO） RIDAI SCITECRIDAI SCITEC 〒１６２－８６０１ 東京都新宿区神楽坂１－３ TEL： ０３－５２２８－８０９０ FAX： ０３－５２２５－１２６５ 東京理科大学科学技術交流センター（承認東京理科大学科学技術交流センター（承認東京理科大学科学技術交流センター（承認 TLOTLOTLO ））） URL ：http://www.tus.ac.jp/tlo/ E-mail ： tlo@admin.tus.ac.jp 2010 年 10 月 12 日 報道関係各位 空気圧式人工筋肉で歩行訓練 脊髄損傷による片麻痺の女性、マラソン出場までに回復 ～11 月 23 日開催の福知山マラソン（3km）に歩行器で出場へ～ 東京理科大学 科学技術交流センター（承認 TLO） 東京理科大学 工学部 機械工学科・小林 宏 教授と株式会社ハートウォーカージャパン（本 社：福岡県、代表取締役：入江 和隆）が共同開発した、空気圧式人工筋肉（エアマッスル、 以下：人工筋肉）を取り付けた歩行器「ハートステップ」を利用して 1 年間トレーニング を続けた半身不随の女性が、寝たきりからマラソンに挑戦するまでに回復し、11 月に京都 府で開催されるマラソン大会に歩行器で出場することが決まりました。 「ハートステップ」は、小林教授がこれまで研究を行ってきた人工筋肉のノウハウを取り 入れ、従来からある歩行器「ハートウォーカー」の販売元である（株）ハートウォーカー ジャパンと共同で開発した歩行器です。「ハートウォーカー」に人工筋肉を取り付けること で、今まで足が出せずに歩けないと思っていた方の歩行動作を補助します。 医療ミスにより、2 年前から左下半身不随となった大阪府在住の山下美里さんは、立ち上が るばかりか椅子に座ることも出来ませんでした。「ハートウォーカー」を装着することで、 立つことは可能になりましたが、麻痺した左足を振りだすことができず、歩行を目指すこ とは難しいと思われていました。しかし、「ハートステップ」を装着し練習を行った結果、 今まで動かなかった左足の振り出し動作ができるようになり、ほぼ 1 年で人工筋肉を取り 外し、「ハートウォーカー」だけで歩けるようになっていました。また、さらに練習を続け た結果、左足の動きがわずかながら認められるようになり、歩くスピードが上昇、今回 11 月 23 日に京都府福知山市で開催される福知山マラソンで3kmのマラソンに「ハートウォー カー」を利用して挑戦することを決意されました。 歩行障害を持つ多くの方は車椅子を使っていますが、車椅子に乗ると循環機能の低下や筋 萎縮、関節拘縮という症状が出てしまいます。それを避けるためにはまず立つこと、出来 れば歩行することが重要ですが、一般的な歩行器は手で支えるため、歩行訓練時の姿勢が 悪くなり、そもそも上半身が使えない方は訓練すら出来ないのが実情です。また、「ハート ウォーカー」で歩行訓練をする場合、介助者が後や前から足を動かしてあげる必要があり 大変な労力を必要としますが、「ハートステップ」はスイッチで人工筋肉を操作し、ユーザ ー自身で右足、左足をそれぞれ動かすことができます。現在ハートステップを実際に使用 されている方は山下さんお一人ですが、今回の回復結果やマラソンへのチャレンジは、多 くの患者さんの朗報になることと思います。 なお、山下さん自身も皆様からのご取材を受ける意思がございますので、ご取材いた だければ幸甚です。 ※福知山マラソン大会当日の山下さんへのご取材に関しまして、11 月上旬に再度ご案内させて頂きます。